4月から移った施設では結核病棟があるのでまとめてみました。
ソースは青木先生の感染症マニュアル
結核診療プラクティカルガイドライン
医療者のための結核の知識 などです。
・肺結核80%vs肺外結核20%
・症状と画像で結核を疑い、各種検体で結核菌を証明する事が手順
ただし、菌が検出できなくても組織所見を元に診断する場合や画像所見や症状をともに 臨床診断する事もあり、これらが診断例の半数程度にのぼる。
【肺結核の診断】
・診断のきっかけは症状やレントゲン異常など。
・塗抹検査の陽性率はさほど高くなく陰性でも画像所見から結核が強く疑われれば3%高張食塩水吸入による誘発痰や、 胃液、BALFの好酸菌検査を行う。
【肺外結核の診断】
・肺外結核の症状は罹患臓器によって異なる
・結核の可能性を疑う事が大切で診断が遅れるのは結核を疑わないためである事が多い。
・粟粒結核や結核性胸膜炎で喀痰・胃液や胸水などの抗酸菌検査の陽性率は高くない
【画像所見】
・結核の病理では1:滲出性 2:増殖性 3:硬化性反応があり、さらに滲出性・増殖性に伴う変化として空洞が、治癒機転に伴う変化として石灰沈着がある。代表的な画像所見 は局所性の浸潤影・広範な浸潤影・肺炎様陰影・びまん性小粒状影
【結核菌の検査】
米国における結核菌検査法の目標
1:検体採取後24時間以内に抗酸菌染色の鏡検結果を臨床医に報告する
2:結核菌の分離および同定の検査結果を10-14日以内に臨床医に報告する
3:結核菌の薬剤感受性試験の結果を15-30日以内に臨床医に報告する
・塗抹は1日、培養は2週間以内、感受性は4週以内
・塗抹→培養→菌名同定→感受性検査 が大筋の流れ
< 塗抹>
○安いし手軽
×菌名がわからない
×感度が悪い
< 分離培養>
○生菌のみ検出
×時間がかかる(小川培地3週間、MGIT2週間程度)
×同定検査が必要
×検体の鮮度が悪いとだめ
○菌種同定まで可能
○高感度
○検体の鮮度に影響されない
×偽陽性・偽陰性が出やすい
×生菌死菌の区別がつかない
×薬剤感受性がわからない
×感度が低い
×特異度では喀痰中の抗酸菌の20%程度はNTMなのでPCR陽性の場合はPCR法などによる菌の同定が必要
・喀痰:結核の80%は肺結核でその半数程度で喀痰中に結核菌を認める
・痰がでない場合は高張食塩水(3%)で誘発痰を
・3日間の連続検痰が必要だが、その感度は培養法をgold standardとしても感度は70%程度であり、2回以下の検査の陽性率は50%以下で4回以上検査しても陽性率はさほど向上 しない。
・胃液は感度が60%程度、偽陽性が1/3程度
・BALFは喀痰の培養検査の結果を見て必要な場合に限る
・直接法(染色後すぐ鏡検)もしくは、遠心で菌体を沈殿させる集菌法がある
【塗抹検査】
・チールニールセンvs蛍光染色法
蛍光染色法はチールニールセンより感度がよく(1.11-1.27倍)低倍率の拡大で見るた め時間効率がよいが、スライドグラスの傷なので偽陽性所見を見る事があるので疑わし い場合はチールニールセン法で確認の必要あり。直接塗抹+チールニールセン染色に比 べて、集菌塗抹+蛍光塗抹では感度が1.5倍程度に上昇
・菌量はガフキー号数は廃止となり-、±、1+、2+3+となった
【培養】
・分離培養法は肺結核全般で80%、明らかな空洞例では96%程度
・小川培地は3週間かかりCDCの条件を満たす事ができない。
・液体培地はMGIT(Mycobacteria Growth Indicator Tube)が用いられる。
・MGITは溶存酸素に鋭敏なセンサー(酸素のない状態では蛍光を発するが、酸素がある状 態では発行阻害をするセンサー)を用いた抗酸菌迅速検出システムで、抗酸菌が増える と酸素が消費される事を利用して判定。培養翌日から8週間観察。
【PCR】
・PCRは塗抹陽性検体では感度95%、特異度98%。ただし塗抹陰性培養陽性検体の感度は約 50%と低く必ず培養法を行う必要がある。
・死菌でも陽性になる
【同定・感受性】
・同定法は核酸増幅法が主流。感受性検査ではMGIT薬剤感受性検査は7日以内に対照培地が陽性になりその2日後に感受性を判定すると接種後9日で結果が判明
【感染の検査法】
・ツ反とQTFがある。QTFはESAT-6とCFP-10という蛋白の刺激に対する血中リンパ球の反応 を見るもの。刺激後48時間で判定する。
・免疫不全者では当てにできない。特異度は98%程度だが感度は90%前後。特異度でもM, intracellulareやM. kansasiiとの間に交差反応性がある。感度が低いのが問題だが現 時点では潜在者結核感染者に対する診断にて使用する事が勧められている。ある時点で の陰性の結果から直ちに感染なしと判断できない
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