どうしても、肺炎のクリニカルパスを作りたいらしい。。。(苦笑)
ここで、クリニカルパスの解説をしたり、議論をしたりする気はないのですが、少し、肺炎のクリニカルパスについて、振り返っておきたいと思います。
【参照記事】
市中肺炎のクリニカルパスの経済的効果と教育効果 : クリニカルパスを用いた診療と従来の診療との比較介入研究(日本呼吸器学会雑誌 40:344-652, 2002)
市中肺炎治療におけるクリニカルパスの功罪(化学療法の領域 24: 1763-1767, 2008)
米国における「クリニカルパス」の導入・活用状況 -米国での訪問調査を実施して(2000.4.24、週刊医学会新聞 第2385号)
クニリカルパスと病院マネジメント ver1.4
その他、いろいろとあるかと思います。
悪いとは言いません。
入院期間中の概略がわかるのは、患者さんにとっては大きなメリットです。
唯一の問題(と私が認識しているの)は、抗菌薬の選択です。
他の市中感染症と異なり、市中肺炎は、多くの原因微生物が関与し、複数で関与することもあり、しかも、基礎疾患を持つ人に多いのです。
そして、軽症例から重症例までさまざま。。。
つまり、年齢、基礎疾患、腎機能、肝機能、原因微生物、重症度は、ここの患者によって大きく異なるわけです。
すると、初期治療薬の選択も、投与計画も、補液の必要性や量も、個々によって異なります。
数日後には、初期治療の評価があり、それにより継続、標的治療薬への変更、経口抗菌薬への変更、治療の中止など、新たな選択に迫られることになります。
それをクリニカルパス上でどのように表現するのか。。。
腕の見せ所と言えば見せ所なのですが・・・。
とりあえず、対案は出しておきました。批判だけするのはよくありませんから。
初期治療薬が何の根拠もなしに入院中ずっと使用されることだけは避けなければなりません。
経済効率だけを希求すると、感染症治療はおかしなものになるのですから。
まあ、それ以前に、カルバペネム系抗菌薬のような薬剤をダラダラと使用することを辞めさせる教育が先かもしれません。
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例えばがんに対する化学療法では、診断が決まっていて量も体重などを元に(個々に最適化されて)決められますし、検査入院のパスも行う事だいたい決まっているのでどちらもパスは作りやすいですよね。
感染症では、Empiric therapyで始めざるを得ない状況もあるわけで、どうしたらパスを作れるのでしょうか・・・肺炎球菌性肺炎と診断がついた時点でのクリニカルパス、とかになればまだわかる気もしますが(^^;
呼吸器学会のガイドラインに従って抗菌薬投与選択、菌が同定されたら、○○と○○の抗菌薬の感受性を組み合わせてみて抗菌薬を変更する、バイタルが落ち着いたら内服に変える、治療は起炎菌によって決めてしまう。(肺炎球菌5-7日、緑膿菌は14-21日とか)治療前には血液培養検査2セットと各種培養をとる、MICについては記載せず縦読みをさせない、という事を入れればメリットがあるかもしれませんね。
治療の標準化が目的?:Defenitive therapyが行えるのか?投与中止の一律化は可能?(まさかCRPと胸部レントゲンはないでしょうが)
看護の方面からの目的?:これはメリットがあるかもしれません。ただ治療開始時期の患者の重症度が一律でないのに看護の度合いを同じにできるのでしょうか・・・
患者のため?:治療の道筋を示せるのはいい事だと思うのですが、相手が生き物(微生物)である以上、そうそううまくいかない事も多々あるわけで・・・
クリニカルパスというのは対象(Patient)がある一定の状態の集団を対象にしているから成り立つと(個人的には)思います。重症度、基礎疾患が様々な患者に対してそもそも治療の一律化(パス)が成り立つのでしょうかね。例外だらけになりそうな気もしますが・・・ このあたりは立場などによってもいろいろな考え方があるのでしょうね。パスができたら是非教えてください。