新型インフルエンザ(H1N1)でのタミフル投与の基準についていろいろ話している際に、「タミフル耐性ってどんな機序でおきるの?新型インフルエンザウイルスでの耐性状況は?」と質問を受けました。ということで調べてみました。
Oseltamivir resistance–disabling our influenza defenses. N Engl J Med. 2005 Dec 22;353(25):2633-6
Neuraminidase inhibitorであるOseltamivir(タミフル)やzanamivir(リレンザ)ではウイルス細胞表面のノイラミニダーゼに結合する。
E276がrotateしてR224と結合しポケットを形成することで、Oseltamivirが結合できるようになる。ノイラミニダーゼ蛋白の275番目のアミノ酸がヒスチジンからチロシンに置換(H275Y)するとポケット形成が妨げられOseltamivir耐性となる。(各種論文ではH274Yの表記をしているが、これは、H3N2亜型ウイルスのNA蛋白質のアミノ酸番号をもとにした表記法(N2表記法)であり、H1N1のNA蛋白質の場合は、耐性マーカーのアミノ酸番号はメチオニンから数えて275番目となる。よって、本文では耐性マーカーのアミノ酸番号をH275Yで統一する。#1)
zanamivirが結合する際にはポケット生成は不要なため耐性とはならない。
#1:<速報>2008/09インフルエンザシーズンにおけるインフルエンザ(A/H1N1)オセルタミビル耐性株(H275Y*)の国内発生状況 [第2報] http://idsc.nih.go.jp/iasr/rapid/pr3503.html
アニメーション版もありました。文章で書くよりこの方がわかりやすいですね。
現時点での新型インフルエンザ(H1N1)のOseltamivir耐性はこちらによると2009/9/25の時点では28例報告されているようです。ただし氷山の一角の可能性も十分にあると思われますが・・・。
早期に治療した方がよい(重症化を減らせる??)という考え方と、タミフル乱用につながってしまい耐性ウイルスを増加させる可能性と・・・適応が難しいですね。リスクファクターがある人、重症の人に投与するというのが現時点での自分のスタンスです。予防接種の話もきていますが、どう線引きするのか難しいですね。タミフル処方と併せて柔軟な判断が必要になるのかなという気がしています。
参考:抗インフルエンザウイルス薬の使用方法(亀田総合病院HP 注:PDFファイル)

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