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続:サテライトセミナー 問題2の回答&解説

少し時間が空いてしまいましたが、問題2の回答、解説編です。前回も書きましたが解説はあくまで私の方がまとめたものです。間違いや修正すべきところがありましたらご指摘いただければ幸いです。

問題2 血液培養でSalomonella typhimuriumが陽性。以下の薬剤感受性はすべてSensitive。使用してはいけない(臨床効果が期待できない)薬剤は?

1:Cefazolin(CEZ) 2:Ceftriaxone(CTRX) 3:Levofloxacin(LVFX)

試験管内では多くの薬剤に感受性を示しますが、第1世代・第2世代のセファロスポリン系薬剤、アミノグリコシド系薬剤は臨床的に効果が期待できません。CEZ(セファゾリン)やCTM(パンスポリン)が感受性結果でSとなっていても(通常はそのように報告されないと思いますが)つられて使用しないように気をつけないといけないですね。

Despite efficient in vitro killing of Salmonella, first- and second-generation cephalosporins as well as aminoglycosides are ineffective in treating clinical infections :Mandell Chapter 223: Salmonella Species, Including Salmonella Typhi

臨床的に効果があるのはAmpicillin(ABPC)やtrimethoprim-sulfamethoxazole(ST合剤)、chloramphenicol、キノロン系薬剤、第3世代セフェム、マクロライド系薬剤とされます。元々はABPCやST合剤などが使用されてきましたが耐性化が進み、現在の第1選択薬はキノロン系薬剤となっています。ただキノロン系薬剤にも低感受性のSalmonellaも次第に増加しており、その場合にはAzithromycinが推奨されています。

typhoid fever(Salmonella Typhi, Salmonella Paratyphi A)に対する実際の治療についてはUp to dateでは下記のように記載されています。セフェム系、クロラムフェニコールでは治療期間が長くなります(2週間~3週間程度)。南アジアやキノロン耐性が多いところではAzithromycinが推奨。

  • A fluoroquinolone such as ciprofloxacin (500 mg twice daily) or ofloxacin (400 mg twice daily), either orally or parenterally for 7 to 10 days. The fluoroquinolones should not be used as a first-line treatment for typhoid fever in patients from South Asia or other regions with high rates of fluoroquinolone resistance until antibiotic susceptiblity data demonstrates fluoroquinolone or nalidixic acid sensitivity. (see "Nalidixic acid-resistant organisms" above)
  • A beta-lactam such as ceftriaxone (2 to 3 g once daily) parenterally or cefixime (20 to 30 mg/kg per day orally in two divided doses) for 7 to 14 days
    Alternative agents for adult patients who cannot be treated with the above antimicrobials, and for fluoroquinolone resistant isolates include:
  • Azithromycin (1 g orally once followed by 500 mg once daily for 5 to 7 days, or 1 g orally once daily for five days)
  • Chloramphenicol 2 to 3 g per day orally in four divided doses for 14 days. Up to dateより

サルモネラ属の分類はややこしいようですが、現在は下記のようになっているようです。

サルモネラ属分類 M.Y. Popoff et al. / Research in Microbiology 155 (2004) 568–570

subsp. enterica グループから血清型でさらにTyphi (チフス菌)、ParatyphiA・B・C(パラチフス菌) 、Typhimurium(ネズミチフス菌) 、Enteritidis (腸炎菌)に分類されます。Wikipediaによくまとまっています。IDWR 腸チフス・パラチフスも参考にされてください。

ちなみに日常診療でよく見かける非チフス性のサルモネラ感染症(食中毒や胃腸炎)では

わが国の非チフス性サルモネラの薬剤耐性率はABPC に20 ~30%、FOM に対し10%未満であり、ニューキノロン薬耐性はほとんどみられない IDWR:サルモネラ感染症

とのことです。抗菌薬治療が必要かどうかは重症度などを参考に検討することになると思います。

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