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続続:問題3の回答・解説

続けて問題3の回答・解説です。

問題3 血液培養からESBL陽性のKlebsiella pneumonia検出。以下の薬剤感受性はすべてSensitive。もっとも臨床効果が期待できる抗菌薬は?

1:Piperacillin(PIPC) 2:Ceftriaxone(CTRX) 3:Imipnem/Cilastatin(IPM/CS)

最近問題となっているESBL=extended-spectrum β-lactamase は1983年にはじめて報告されました。

β-ラクタマーゼはクラスA、B、C、Dと分類されますが、ESBLはクラスAのβ-ラクタマーゼ、いわゆるペニシリナーゼと呼ばれていた酵素にアミノ酸置換が生じて、第3世代・第4世代セフェム系薬剤まで分解できるようになったものです。このESBLをコードしている遺伝子はRプラスミド上にあるために、同菌種間のみならず異なる菌種間(Ex:E.coli→Klebsiella Pneumoniaeなど)に容易に伝達し、近年ではかなりの広がりを見せています。沖縄での検査技師の方々のお話を伺う機会がありましたがE.coliでは約7-10%がESBLパターンだったとのことでした。

 betalactamase分類 β-ラクタマーゼの分類 Clinical Infectious Diseases 2001; 32:1085–9

ESBLはTEM型、SHV型、CTX-M型などに分類され日本ではCTX-M型が多いとされます。TEM型やSHV型に属する
ESBL はCeftazidimeに耐性となる傾向が多く、CTX-M型のESBL の多くがCefotaximeに耐性を示すとされます。ただしESBLs産生菌と判明とすればすべてのペニシリン系、セフェム系薬剤に耐性と報告されます(るはず)。

現在ESBLの第1選択薬はImipenemやMeropenemなどのカルバペネム系とされます。

For infections caused by ESBL-producing E. coli or klebsiella species, treatment with imipenem or meropenem has been associated with the best outcomes in terms of survival and bacteriologic clearance.Cefepime and piperacillin–tazobactam have been less successful. Ceftriaxone, cefotaxime, and ceftazidime have failed even more often, despite the organism’s susceptibility to the antibiotic in vitro.107 Several reports have documented failure of cephamycin therapy as a result of resistance due to porin loss. Some patients have responded to aminoglycoside or quinolone therapy, but in a recent comparison of ciprofloxacin and imipenem for bacteremia involving an ESBL-producing K. pneumoniae, imipenem produced the better outcome.   N Engl J Med. 2005 Jan 27;352(4):380-91.

Cefmetazoleなどのセファマイシン系薬剤も効果があるかもしれませんが、使用する場合は注意が必要かと思われます。自分は尿路感染症で全身状態が保たれている場合には使用しています。

悩ましいのはESBL産生菌かどうか判明するまで数日を要することです。(検出法としてはCLSIのディスク法・希釈法などではCPDX(cefpodoxime:バナン)、CAZ、AZT、CTX、CTRXに対して阻止円直径が基準を満たすもしくはMIC≧2以上の場合はCAZとCAZ/CVA及びCTXとCTX/CVAでの感受性を比較してCVAとの合剤で抑制されればESBLs産生菌と判定 臨床微生物検査ハンドブック第3版より) ただ、最近はESBLスクリーニング培地も出てきているようです。これなら1日前後でわかるので自分も以前の病院ではとても助けられました。

今後さらにESBLが広がっていくと・・・例えばUrosepsisのEmpiric therapyがカルバペネム系となる時代もきてしまうのでしょうか。そんな日がこないことを祈ってますが。

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