かなり遅くなりましたが、問題4の回答編です。だんだん解説が短くなっているのは目をつぶってください・・・。
問題4:髄液よりBLNAR(β-lactamase-nonproducing ABPC-resistant H. influenzae)陽性。以下の薬剤感受性はすべてSensitive。もっとも臨床効果が期待できる抗菌薬は?
1:Ampicillin(ABPC) 2:Cefuroxime 3:Ceftriaxone(CTRX)
→β-ラクタマーゼと無関係に耐性となっており、効果が期待できるのは第3世代以上のセフェム系薬剤とされます。PBP3の変異が原因。国内では30-50%前後?欧米ではβ-ラクタマーゼを産生するメカニズムの耐性が主流でBLNARはまれのようです。
(1)耐性遺伝子を持たないABPC感性菌はBLNAS、 (2)β-lactamase産生ABPC耐性菌はBLPAR(TEM-1 型とROB-1 型)、 (3)PBP3変異によるABPC耐性菌はBLNAR(Low-BLNARとBLNAR)、 (4)β-lactamase産生+PBP3変異株はBLPACRとなる。 BLNARでは隔壁合成酵素のPBP3遺伝子(ftsI )上に変異が生じており、 そのうちの3カ所の変異が耐性化に関与しているが、 1カ所のみ変異した株は耐性レベルが低いのでLow-BLNAR、 2カ所に変異を有する株はセフェム系薬の感受性が著しく低下(16~64倍)しているので、 BLNARとして区別される。
耐性のメカニズム的には肺炎球菌と類似の機序となります。そのため薬剤が全く効かないというわけではなく低感受性となるとされます。高用量で使えば効果があるのでしょうか。
BLNARが半分ということは、BLNASがもう半分と言うことで、それらの菌ではAmpicillin等でも効果があることから、必ずしも初期選択薬は3世代セフェムではなくてもいいのではないか、というのを青木先生の講演会でよく拝聴します。確かにHostの全身状態がよい場合には最初から全カバーをする必要があるのかどうか考えながら治療をしてもいいかもしれません。ただ、その場合に経過を見守る方が勇気がいるというか、力を使いますよね。
長くなってしまいましたがこれで一旦このシリーズは閉じたいと思います。

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